GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

山口 彦之×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.66

山口 彦之×高嶋 ちさ子

2017.05.01

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、空也もなかで有名な老舗和菓子屋「空也」の五代目 山口彦之さんです。

和菓子の垣根を超えた新業態「空いろ」で、あんの魅力を世界に

高嶋さん
山口さんが五代目になられてから、2011年に空也の新業態「空いろ」を始められましたが、どのようなきっかけで?
山口さん
オープンした2011年という時期は、和菓子の業界全体に強い閉塞感が漂っていると感じていました。そんな中、日本の伝統的食文化である和菓子にもっと目を向け戻してもらいたい、そして、あんの魅力をさらにブランディングさせていきたい、という思いがあったのです。ですが、空也は新たに手を加える必要がないお店と感じていたので、新業態として“始めちゃった”感じです。
高嶋さん
始めちゃった(笑)。どんなお菓子があるんですか?
山口さん
まず「空いろ」を始めるにあたって、空也では扱っていない“どら焼き”をラインナップに取り入れようと思いました。どら焼きって、ドラえもんが好きなお菓子ということで、海外の人たちも知ってたりするんです。だから、あんの魅力を世界に広めるきっかけになるのでは?と考え、「たいよう」という名のどら焼きが生まれました。
ほかにも、「つき」という名のクッキーであんを挟んだお菓子や、ジャムのようにあんこを瓶詰めにした「ほし」など、「空いろ」という屋号にちなんで、空に関する名をつけた商品が並んでいます。
高嶋さん
斬新な和菓子を作られているんですね。今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか?
山口さん
長期計画などといったものはなく、思いつきで走ってしまっているところは多々あって、今後の展開というほど大それたものではないのですが……。たとえば「和菓子を食べるときはやっぱり日本茶だよね」とか「和菓子はお茶の席でいただくものだから敷居が高い」など、まだまだ和菓子自体のイメージが枠にはまりすぎていると感じているので、その枠を取っ払って、もっと身近に親しんでいただけるような商品を生み出していきたいですし、日本のお菓子が世界に誇れる食文化であることを表現し伝えられるようなことには携わり続けていきたいですね。
空いろ TOKYO Me+(トウキョウミタス)店

空いろ TOKYO Me+(トウキョウミタス)店

たいよう

たいよう

つき

つき

伝統と革新がミックスされた銀座の一風景に、これからもずっと

高嶋さん
山口さんは現在、銀座の青年会組織「銀実会」のメンバーでもあるんですよね。
山口さん
はい。今は銀実会の渉外部に所属しています。たとえば、5月5日に開催される「銀座柳まつり」や「東京マラソン」など町ぐるみの大きなイベントで、「あっちに行きたいけれど通れない」とお困りの来街者の方が多数いらっしゃるので、町のご案内役をしています。商売以外の活動を通じて、銀座の町に貢献できているのは嬉しいですね。
高嶋さん
最後に、銀座に対する想いを聞かせてください。
山口さん
銀座に住んではいませんが、幼い頃から慣れ親しんだ街です。僕が知っている30数年の中で、目にする景色やお店が様変わりする一方、老舗と言われるお店もちゃんと息づいている。きっとこれからも、伝統と革新がミックスしながら成り立ち続けていく街なのだろうと思います。そんな銀座という街の中のひとつの風景として、空也があり続けられるといいですね。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

山口 彦之

1979年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社ダイエーに入社。3年のサラリーマン生活を経て、2006年空也に入社。翌年より東京製菓学校へ通いながら、数年間製造現場で菓子作りを経験。現在は5代目として経営に携わる。2011年には、新業態ブランド『空いろ』をオープン。週末は、野球やテニスなどスポーツを楽しむアクティブ派。銀座の仲間と音楽のある空間でお菓子とお酒を愉しむイベント『アンコマンないと』を主催。

取材・文:ヨダ ヒロコ 取材場所:銀座越後屋 会議室

MUSE〜12 Precious Harmony〜

高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト ニューアルバム「MUSE〜12 Precious Harmony〜」リリース

高嶋ちさ子 12人のヴァイオリニスト名義で約4年ぶりのアルバム「MUSE〜12 Precious Harmony〜」がリリース。
今作品は結成10周年を記念して12人のヴァイオリニストをメインに、クラシックの名曲を始めとして彩りあふれたアルバムになっています。
オリジナル曲は3曲含まれており、「SPLASH!!!」はスキマスイッチによる作曲・共演と今までにはない楽曲など全12曲収録。

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