GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

水原 麟太郎×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.17

水原 麟太郎×高嶋 ちさ子

2013.02.01

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、レストラン、カフェ、画廊の3店舗を展開されている「銀座清月堂」の代表取締役社長、水原麟太郎さんです。

先々代が切り開いた銀座の商売の道を歩み続けて。

高嶋さん
清月堂さんは、今はレストラン、カフェ、画廊の3店舗の展開をされているんですね。
水原さん
はい。今は、銀座5丁目に貸しギャラリー、銀座6丁目にカフェがあり、新宿の小田急百貨店レストラン街でもフランス料理のレストランをやらせていただいています。
高嶋さん
銀座での歴史はどのぐらいになるのでしょうか。
水原さん
昭和22年創業ですから、今年で66年になります。銀座5丁目のレストランは、17年間営業させていただきましたが、3年前に店を閉じました。今は、銀座の店はカフェとギャラリーの2店舗です。
高嶋さん
それは残念ですね。それにしても、銀座の中ではとても歴史があるお店なんですね。このインタビューの第二回目に登場していただいた老舗の和菓子屋さん「清月堂本店」の水原さんとご親戚だと伺っていますが?
水原さん
はい。祖父が同じですから今の社長はいとこの息子です。

祖父には息子が5名おりまして、そのうち1名は朝日新聞の記者になったのですが残り4名は商売の道を歩みました。そこで創業者である祖父が兄弟仲良く商売が出来るようそれぞれの息子達に一軒づつ店を分け与えてくれたそうです。本家は和菓子屋を継いでますので、うちの父はそれとは違う洋食店とカフェを開いたという流れです。
高嶋さん
おじいさまの代から銀座とはゆかりがあるんですね。では、水原さんもずっと銀座に暮らしているんですか?
水原さん
はい、昔は住んでいました。私が幼い頃は、アメリカの進駐軍が来た時代でしたから、子供が遊ぶ環境ではないということで、途中で四谷に移り住みましたが。父も私もこのあたりの幼稚園を出ているんですよ。その頃は、百貨店の屋上が絶好の遊び場でしたね。

銀座風月堂 新宿小田急店

作家・池波正太郎さんが愛したカフェのメニューは今も人気。

高嶋さん
清月堂さんと言えば、「LINTARO CAFÉ」さんがとても人気ですよね。
水原さん
ありがとうございます。銀座かねまつさんの2階にあるのですが、私が尊敬するかねまつさんの初代が実に素晴らしい方で、店を6丁目かねまつさんの本店ビル2階に出さないかとご熱心に2度もお足を運んで下さって、感激して私もカフェを開店する事を決意したのです。中央通りに店を出せる憧れもありました。28席のこじんまりした店ですが銀座一の眺望がきく店だと言われお客様に愛されています。
高嶋さん
名物のチーズケーキもとても美味しいと伺っています。
水原さん
ありがたいことに35年間作り続けているチーズケーキにファンが多いんです。著名な方もこれが好きだと言って下さる方も多くカフェでは毎日出しています。実は私もときどき菓子工場に立って作るんですよ。
高嶋さん
え!水原さんがお作りになるんですか?
水原さん
はい(笑)。私も菓子作りが嫌いじゃないものですから。それに、この味は絶対に絶やさないよう、私ともう1人長年勤めてくれている職人とが味を伝えています。
高嶋さん
何人もの方に愛されているチーズケーキなんですね。私も食べに行きたいと思います。お店は、池波正太郎さんにも愛されたとか?
水原さん
はい。池波正太郎さんは、コーヒーとクリームソーダーがお好きで、本にも書いて下さいました。たまたま、先生と同郷のスタッフもいたものですから、それもあって何度もお越しくださいました。池波先生が飲んだものと同じメニューはあるのか、と今でも尋ねてくるお客様がたくさんいらっしゃいます。ありがたいですね。
高嶋さん
銀座の景色を眺めて、ゆったりできるなんて最高ですね。
水原さん
はい(笑)。眺望がいいので、この前のオリンピックのパレードのときも、ジャイアンツの優勝パレードのときも問い合わせが殺到したんですよ。今度ぜひゆっくり遊びいらしてください。
高嶋さん
はい、ぜひ!

名物のチーズケーキ

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