GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

辻 典之×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.54

辻 典之×高嶋 ちさ子

2016.05.09

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、洋食器の輸入・販売を行う「ノーブルトレーダース株式会社」の取締役、辻 典之さんです。

元商社マンの父が創業。京都発の洋陶磁器専門店が銀座に進出

高嶋さん
まずは、事業内容をお聞かせください。
辻さん
貿易商社直営の洋陶磁器専門店です。直輸入直売という自社一貫の会社としてやっております。父が京都で創業し、今年で創業40周年を迎えます。私も京都出身なんです。
高嶋さん
イントネーションが関西の方だと思っていました! 京都のご出身なんですね。では他にも店舗はおありなんですか?
辻さん
ええ。関西に5店舗、東京に2店舗の直営店舗とオンラインショップを展開しています。オンラインショップのお客様から「東京にお店はないんですか?」といつもお問い合わせをいただいておりまして、縁があり兼ねてから夢だった銀座にお店を構えることができました。
高嶋さん
創業のきっかけは?
辻さん
創業者である父はもともと商社マンだったんです。約30年前、当時の洋食器はヨーロッパでの現地価格と日本の価格の差が今では考えられたなかったほど大きかったそうです。それを目の当たりにして、「これはおかしい。適正価格で買えるように自分で輸入しよう」と自分で洋食器の直輸入を始めました。だから、海外の商品も現地とほぼ同じ価格で買えますよ、というのがうちの強みなんです。
高嶋さん
素晴らしいですね。海外ではいくら安いと言っても、梱包して持って帰る大変さを考えたら日本で買いたいと思いますよね。
辻さん
そういうリスクを考えて喜んでくださる方は大変多いですね。
ル・ノーブル 銀座店

ル・ノーブル 銀座店

スタッフみんなが世界各国へ買い付けし、200ブランド以上を取り揃え

高嶋さん
現在取り扱っているブランドは何種類ぐらいありますか?
辻さん
これまでに取り扱ってきたブランドは約300以上、アイテム数は5万種類を上回ります。現在はその中から厳選した200ブランド、1万種類を定番として取り扱っています。
高嶋さん
そんなに! 商品はどうやって見つけてくるんですか?
辻さん
うちでは社員みんなが仕入担当という考え方です。バイヤーはもちろん、店舗の店長やweb制作のスタッフなども世界各国を飛び回って買い付けに行っています。消費者として自分たちがいいと思うものを販売したいというコンセプトでやっていますので、いろんなスタッフのいろんな意見を大切にしています。
高嶋さん
今はネット社会ですが、意外と路地とかにある昔ながらのお店じゃないと置いていない商品も多いですもんね。
辻さん
そうなんです。イタリアなんて特にそういうお店がたくさんある。ただ、そういうところの職人さんは大体頑固なので、交渉するのが大変なケースも多いんですが(笑)。でも、その人にしか作れないものを発見する喜びも大きいです。
高嶋さん
いいなあ、楽しそうですね。うちの家には、棚がきしむほど食器があるんです。お客様がいらしたときはマイセン、ふだんはビレロイ&ボッホを使っています。ひとつのシリーズを決めてというのもありですが、シチュエーションに合わせて選ぶのが私はすごく好きで。
辻さん
そういう楽しみがありますよね。すべてのブランドには、歴史とストーリーがあるので、いろいろな食器に触れていただきたいです。

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