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原 弘×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.29

原 弘×高嶋 ちさ子

2014.02.03

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、創業80年以上、2013年に移転オープンした「銀座ボーグ 帽子サロン」の代表 原 弘さんです。

突然の閉店を乗り越え、新たな気持ちで再オープンへ。

高嶋さん
銀座ボーグさんは、2013年にこちらへ移転オープンしていますね。きっかけはどんなことでしょうか?
原さん 
私の前には、おばが代表を務めていたんですが、90歳を迎えるにあたり、後の人生を楽しく生きていくと言って急にお店を閉めたんです。ちょうど私が広島へ10日間の出張に出た2日目に電話で聞いたんです。
高嶋さん
えー!突然ですね。大変。
原さん 
はい。「あなたね、自分でお金と場所を探してがんばってね」と言われて。もう驚きましたよ。
高嶋さん
それで、2013年の1月にお店をたたまれて。それからはどうされてたんですか?
原さん 
閉店セールで帽子を売り尽くしてしまったので、帽子屋をするにも帽子がないわけですよ。だから、再オープンまでは帽子を作っていました。いい機会なので、売れ筋ではないけど、綺麗な色の生地を使ってみたり、作るものに関してチャレンジしようと思って。今まで作りたくても作れなかったデザインの帽子をバンバン作って、それはそれで楽しかったです。
高嶋さん
奥さんは何もおっしゃらず?
原さん 
あなたどうするの?と言われましたけど、一生このままじゃないし、売り物を作ってはいるからと言って納得してもらいました。
高嶋さん
男の人って呑気でいいですね(笑)。
原さん 
でも、すごく周りの人に助けられたんです。ずっと働いてくれていた店長は、うちの主要なお客さんをよく知っている重要なスタッフなんですが、再オープンするまで待っていてくれると言ってくれて。 しかも大変なら給料もいらないとまで言ってくれたんです。
高嶋さん
男気がありますね!
原さん 
女性ですけどね(笑)。あと、こちらのビルのオーナーである壱番館のオーナーである渡邊さんが友達なんですが、うちの準備が整うまで、何ヶ月もこの物件を誰にも貸さず待っていてくれたんです。人の心の優しさが身にしみました。
高嶋さん
いいお話。1階は洋服屋さんで、いいですよね。洋服と帽子とで組み合わせて選べる流れがビルの中でちゃんとできていますものね。
原さん 
はい、ありがたいです。

銀座という天の川の中で、ささやかながら輝き続けたい。

高嶋さん
いいお話をたくさん聞けました。最後に、銀座という町への思いを教えていただけますか?
原さん 
銀座の人は心が温かいですね。再オープンをしたことを、銀座の人たちがとても喜んでくれたのも嬉しかったです。うちの先代と仲が良かったと言って、人を連れて来てくれたり、閉店の間にも昔のお客さまがわざわざ問い合わせて発注してくれたり、今回のことでつくづく人との強い絆を感じました。
高嶋さん
原さんの人徳じゃないでしょうか。
原さん 
いえいえ。自分は本当にそれにこたえられるか?自分ならできるか?と常に考えさせられています。小さな商売なので、自分にできることは、いい帽子を作って喜んでもらうことだなということに尽きますけど。
高嶋さん
それが一番ですよね。
原さん 
はい。銀座サヱグサの前社長が昔、銀座は天の川のようだと言っていた事がありまして、それがいい言葉だなと思って。本当に天の川のようにいろんなお店が点々とありますが、そのひとつとなって、ささやかではありますが、輝いていられればいいと思います。今日はぺらぺらとたくさん喋ってすみませんでした。しゃべる職人ですね。
高嶋さん
いえ、おもしろいお話をたくさん聞けて楽しかったです。ありがとうございました。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
原さん 
安藤七宝店 東京支店長の安藤重幸さんです。世界各国で様々な賞を受賞している七宝店で、素敵な製品がたくさんあって楽しいですよ。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

原 弘

「銀座ボーグ 帽子サロン」代表。広告代理店の媒体部媒体課雑誌媒体担当へ就職をした後、「銀座ボーグ」へ入社し、帽子職人となる。2013年に4代目に就任。お客さんとの会話を始め、百貨店の食器売り場やブティックのウィンドウ、海外の写真集などからヒントを得て、オリジナリティ溢れる帽子を製作している。

「銀座ボーグ 帽子サロン」ブログ

取材・文:高橋瑞穂  取材場所:銀座ボーグ 帽子サロン

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