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東京藝術大学 大学院生 島峰 藍

シリーズ銀座×人 VOL.7

東京藝術大学 大学院生 島峰 藍

2013.01.17

銀座と縁のあるゲストをお招きし、外から見た銀座をテーマに、その魅力やこれからの銀座を自由に語っていただくこのコーナー。第七回目の銀座×人は、現在、東京藝術大学の大学院に在籍中の島峰藍さん。2020年東京オリンピック招致ロゴを制作し、才能溢れる期待の若手として活躍中の島峰さんですが、実はその才気を銀座でもいち早く開花させていました。招致ロゴの秘話や銀座でのコンペのこと、これからの銀座で叶えたい夢を語ってくれました。

伝統があるものに魅かれるので、銀座は大好きな街。
いつか『和光』のショーウインドウを手がけるのが夢です

まさか自分が選ばれるとは思っていませんでした

東京オリンピック招致ロゴのコンペの話を初めて聞いたときは、卒業制作や小さい頃から趣味で続けているビオラの発表会、大学院の受験準備まで重なって、4年間の大学生活で1番忙しい時期だったんです。しかも、コンペの締切りまで2週間というタイトなスケジュールで……。でも、話を聞いているうちからデザインのイメージが沸いてきて、絶対に応募しようと思っていました。とにかくモチベーションが高かったんだと思います。
とはいえ、弱気なタイプなので、まさか選ばれるとは思っていませんでした。なので、知らせを聞いたときは、喜びというより安堵感がありましたね。

デザインは、花のリースをモチーフにしていて、オリンピックカラーの赤、青、黄、緑と、東京を表す江戸むらさきの計5色の桜で構成しています。
桜は大勢の人に愛されている日本の代表的な国花ですし、友好や平和の証として世界各地へ贈られてきたものですので、日本らしさのシンボルとしました。そしてこのロゴで1番大切なのが、リースであることなんです。外国映画でお墓にリースを手向けるシーンがあり、どのような意味があるのか不思議に思って調べたら、リースには〝再び戻ってくる〟というメッセージがあったんですよ。
これにちなんで、スポーツを通し、「日本に活気や勇気が戻ってきますように」という祈りを込めています。

『銀座スペースデザイン学生コンペティション』で〝Hatsuko Endo賞〟を受賞

銀座は、小さい頃から母とよく来ていたので、思い出深い街なんです。最も印象に残っている銀座のエピソードというと、2008年の大学1年生のときに『銀座スペースデザイン学生コンペティション』(2010年で終了)で〝Hatsuko Endo賞〟を受賞させていただいたことですね。東京の6つの美術大学の学生たちが、銀座にある店舗のショーウインドウのディスプレイ空間をデザインするコンペで、プロの方たちと仕事をさせてもらった大変貴重な経験でした。ショーウインドウのデザインは昔からの夢だったので、受賞したときは嬉しくていち早く母に電話しました。
『Hatsuko Endo』さんに応募した理由は、お店のテーマが〝ヨーロッパのエスプリ〟で、自分のなかで共鳴するものを感じたからです。私は〝伝統〟という言葉が好きなんですが、それに通じるものがあったんですよね。自分なりにさらにテーマの解釈を深め、フランスの〝シャンパーニュ(シャンパン)〟にたどり着いたんです。オートクチュールを含めたハツコエンドウウエディングスの精神と、シャンパーニュ作りのエスプリに共通するものがあると思いました。品格漂うウエディングドレスと、繊細な淡いシャンパーニュの泡を共演させた世界観を表現しました。

1人でも多くの人の心を動かすデザインをしていきたい

あまり自分のなかでは記憶はないんですが、幼い頃からよく絵を描いている子どもだったみたいです。実際、絵を描くのは好きでしたね。それで、美術系の中学校に入ったのですが、入学した頃は成績優秀な生徒というわけではなかったんです。レベルの高い人たちが集まってきているわけですから。
でも必死になって、わからないことがあればすぐ先生方に質問して、一生懸命努力しました。気弱な負けず嫌いなんです(笑)。

大学のゼミの恩師に言われて今でも印象に残っているのが、「デザインとは応えるもの、アートは問うもの」という言葉です。社会に求められているものがデザインであり、社会に問うものがアートということだと解釈しました。社会って人だと思うんですけど、1人でも多くの人の心を動かすデザインをしていけたらいいなと思います。もちろん人それぞれ考え方は違うので、全ての人に正しい答えは出せないかもしれませんが、この軸がブレなければ大丈夫だと思っています。

いつの日か『和光』のショーウインドウを手がけるのが夢です

子どもの頃、母と一緒に銀座を歩いていると、景色なのか、人なのか、空気なのか分からないのですが、この街が長年培ってきた伝統というものが、感覚的に伝わってきましたね。幼心にも、他の街とは違う特別な魅力がある街だなぁと思っていました。もちろん時代に合わせて変わっていくことも大切だと思いますが、人もモノもコト(イベント)も、子どもの頃に感じた銀座の魅力、いいところは変わってほしくないなという気持ちがあります。これからもこの街の伝統をずっと見守っていきたいですね。
『和光』さんのショーウインドウも、その伝統のひとつだと思うんです。母からも、「あのディスプレイは、自腹をきってまでやりたいっていう人が多いんだよ」と、よく聞かされていましたね。だから私もプロになったら、いつかデザインをさせていただけたら嬉しいなと夢見ています。

島峰 藍

1989年生まれ。女子美術大学4年生のときに、東京2020オリンピック・パラリンピック招致ロゴのデザインが採用され、注目される。現在は東京藝術大学大学院生であり、『東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会』のアドバイザーとしても活躍中。「友人と銀座でランチをするのが楽しみ」という女子大生らしい素顔を持つ、期待の若手。趣味はビオラ。

東京2020オリンピック・パラリンピック招致 Webサイト

取材・文:岡井美絹子  取材場所:銀座通連合会

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