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岡本 圭祐×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.49

岡本 圭祐×高嶋 ちさ子

2015.11.13

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、「文明堂銀座店」の代表取締役、岡本圭祐さんです。

1900年創業、カステラの老舗・文明堂の歩み

高嶋さん
文明堂さんの創業はいつですか?
岡本さん
1900年に、私の祖父の兄である中川安五郎が長崎で創業し、その後1922年に、創業者の弟である私の祖父が、東京の上野黒門町に進出しました。翌年の関東大震災で店舗が焼失してしまい、一度長崎に戻ったものの、今度は麻布箪笥町に出店し、現在に至ります。カステラ屋の中では新しい方ですね。
高嶋さん
100年以上も前なのに!?
岡本さん
一番古いのは長崎の「松翁軒」さんでしょうか。長崎は今でもカステラ屋がたくさんありますね。
高嶋さん
たしかに。長崎に行くとカステラ屋さんだらけですね。
岡本さん
文明堂も長崎に総本店があるんですが、そこでは、文明堂から独立起業した人たちが何年かに一度集まって、OB会をやっているんですよ。自店のカステラの試食や新商品のアイデア出しなど、ざっくばらんに語る意見交換会のようなものですね。
高嶋さん
面白いですね。ライバルというより同志という感じでしょうか。
岡本さん
そうなんです。長崎という土地は、商売に関してはオープンな気質がありますね。
文明堂銀座本店

文明堂銀座本店

一人前になるまでには10年かかると言われるカステラ作り

高嶋さん
カステラ作りには、相当な技術が必要になると伺いました。
岡本さん
材料がシンプルなだけに、混ぜ方や焼成などの技術力がモノを言います。一昔前までは、一人前になるまでには10年かかると言われていたくらいですから。うちの職人たちの技術が向上したのは、食の人間国宝をいただいた森幸四郎という職人頭によるところが大きいですね。従来の「作り方は見て盗め」から、マンツーマンで指導することで上手になった職人がたくさんいました。昔に比べると、技術はかなり向上しています。
高嶋さん
どんな人が職人さんに向いているんですか?
岡本さん
どちらかというと、せっかちではない、のんびりタイプの人がいいですね。
高嶋さん
私はムリだ(笑)。
岡本さん
そうかもしれないですね(笑)。急いで焼こうと思ったら、火を強くすれば20分くらいで焼けるのかな。それを水分が飛ばないように、40~50分かけてじっくり火を入れるのがコツなんです。生地を混ぜる時間も焼成時間も、その日によって微妙に時間調整します。見極めが非常に難しいですね。
高嶋さん
そんなに作るのが大変だとは知りませんでした。うちの子供はカステラが大好きで、文明堂さんのカステラをいただくことが多いんですよ。
岡本さん
ありがとうございます。カステラはバターなどの油分を入れないので、カロリーは想像よりも低いんですが、糖質と適度なたんぱく質を含む栄養価が高い食品なんです。スポーツ選手もよく召し上がっていただいておりますし、お子様からお年寄りまでどなたにもおすすめできますね。
高嶋さん
添加物も入っていないし、ヘルシーな食べ物なんですね。
岡本さん
カステラの食べ方はつぶさないように、手でちぎって食べるのがいちばんです。やっちゃいけないのは、フォークで上から押さえつけること、芥川龍之介も、カステラはちぎり食いが正しいとおっしゃっていたそうですよ。ほんの数分でカステラの生地は乾燥してくるので、開封したら早めに食べるのがいいですね。

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