GINZA Q&A

Vol.01 
「銀座ルール」ってなんのことですか?

 銀座には、地区計画「銀座ルール」という地域ルールがあります。これは1998年、銀座の人たちが中央区と話し合って決めた、銀座の建物に対するルールです。
 銀座には、銀座通りや晴海通り、西銀座通り、昭和通りといった大通り、並木通りやみゆき通りのような歩道のある通り、金春通りやガス灯通りのような歩道のない通りと3種類の道路がありますが、各道路の幅ごとに建てられる建物の高さや容積率などの数値が決められています。
 たとえば、銀座通りでは、2分の1以上を商業用途にすれば高さ56メートル(工作物を入れて66メートル)の建物が建てられます。並木通りなら高さ48メートルです。昭和通りより東の一部では、商業ではなく住宅を誘導用途に、同様のルールが決められています。その場合でも最高高さは56メートルです。
 しかし当初は、都市再生特別措置法または総合設計制度という法律を使えば、56メートルを超える建物の建設が可能でした。実際にいくつかの高層建物が建っています。ところが、銀座に200メートル近い超高層ビルを建てる計画がおこったとき、それが銀座らしさを壊すものとなってしまうのではないか、という懸念がおこりました。
 銀座は、広い空のもと気持ちよく安心して通りを歩きながらお買い物していただく街。間口は小さいけれど一流の専門店が連なる、街並みのにぎわいと温かさを楽しんでいただく街。それに対して超高層ビルは、建物内はにぎやかでも通りに対して閉鎖的になりがちです。銀座の人たちは「超高層ビルが銀座にはふさわしいか」と、勉強会やシンポジウムを何度も開き専門家をまじえ議論しました。そして中央区とも協議を重ね、例外なく建物最高高さを56メートルとするように「銀座ルール」を改正したのです。
 ただし、昭和通りより東では、文化の維持・発展に貢献する建物に限り、高さの例外が認められています。その第1号が銀座歌舞伎座であることはいうまでもありません。

(銀座街づくり会議 竹沢えり子)