おすすめイベント・新着情報

銀座もとじ

【銀座もとじ】極みの上布を自然布の帯で装う夏|6月催事

2025.06.01 - 2025.06.30

(左)喜如嘉の芭蕉布 着尺/しな布八寸名古屋帯  (中央)越後上布 着尺/城間栄順作 越後上布紅型 八寸名古屋帯  (右)小千谷縮 着尺/しな布角帯

燦燦と陽光を浴びた鮮烈な色彩の八重山上布、白地に絣が冴える越後上布、深い藍色の清らかな宮古上布、北から南まで日本の風土から生まれた極上の上布をご紹介します。
盛夏の帯や角帯として、葛布、藤布、しな布、芭蕉布など選りすぐりの自然布の帯を取り揃えました。
限られた時季の装いだからこそ、素材と手仕事にこだわり、上質な夏の装いを楽しみませんか。

商品一覧を見る

会期:2025年6月1日(日)~
会場:銀座もとじ 和織、男のきもの、オンラインショップ
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ和織・和染(女性のきもの)03-3538-7878
銀座もとじ男のきもの 03-5524-7472

 フォームでのお問い合わせ

ぎゃらりートーク

大井川葛布 代表・村井龍彦氏をお迎えし、お話を伺います。

日時:6月14日(土)10時~11時
場所:銀座もとじ 和織
定員:40名様(無料・要予約)

お申込みはこちら

在廊

大井川葛布 代表・村井龍彦氏

6月14日(土)11時~18時


日本の上布礼賛 特別対談

日本の上布礼賛 特別対談

対談を読む


上布についてのコラムも公開中

《3分で解説》極上の上布とは?宮古上布、越後上布、小千谷縮の違いと魅力


越後上布とは《新潟県》

越後上布とは

透けるような薄さ、軽さ。1200年の歴史と
雪国の風土に育まれた極上の夏織物。

越後上布は、現在では新潟県南魚沼市、小千谷市を中心に生産される、苧麻(ちょま、からむし)を原料とする織物です。日本を代表する上布として「東の越後、西の宮古」とも呼ばれています。1200年前から存在する日本最古の織物とされ、1955年には国の重要無形文化財、第一号の指定産地としても認定されました。 「越後上布」と呼ばれるものは、下記の条件をすべて満たしています。(1)すべて手うみした苧麻糸であること。(2)絣模様は手括りであること。(3)地機で織ること。 (4)しぼ取りは湯もみによること。(5)地白のものは雪晒しすること。福島県昭和村で生産される苧麻(ちょま)と呼ばれる麻の繊維を爪と指先で細かく切り裂いて、撚り合わせて紡いで糸にしていきます。緯糸は一反分を仕上げるのに約3ヶ月、経糸は7ヶ月もかかります。糸作りのできる職人が減り、現在、重要無形文化財の認定を受ける「越後上布」の年間生産反数はたった20~30反程と言われ、大変稀少になっています。

越後上布の情報・商品を見る

小千谷縮とは《新潟県》

小千谷縮とは

美しい絣模様を優しく織り上げ
繊細なシボが作る最高に贅沢な風合い。

新潟県小千谷市周辺を生産地とする、手績みの苧麻糸を地機で織り上げる上布織物。 緯糸に強い撚りをかけた糸を用いて、織りあがった後に湯もみをすることで、全体に凹凸感あるシボが生まれ、肌に張り付かない夏に涼しい生地となります。1955年には国の重要無形文化財に指定されました。 重要無形文化財指定の「小千谷縮」は下記の条件をすべて満たしています。 (1)すべて手うみした苧麻糸であること。(2)絣模様は手括りであること。(3)地機で織ること。 (4)しぼ取りは湯もみによること。(5)地白のものは雪晒しすること。現在は年間生産数 4、5反と言われる幻の織物です。

小千谷縮の情報・商品を見る

宮古上布とは《沖縄県》

宮古上布とは

透き通ったトンボの羽を思わせる薄さと
砧打ちで仕上げるしなやかな艶めき。

宮古上布は、島で育つ苧麻を原料とした手績みによる糸作り、藍や植物染料による染め、締機や手括りによる絣括り、手織り、砧打ちなどの工程を経て作られた独特の艶と、軽くやわらかな風合いが特徴の夏の最高級品です。1978年に国の重要無形文化財に認定。2003年には、糸績み技術が国選定保存技術となっています。 薄く軽やかで透き通ったトンボの羽を思わせる宮古上布は、苧麻糸の際立った細さから、触れてみると意外なほどしなやかな弾みがあり、肌につかず離れず風が通り抜けていきます。一日数センチと言う気の遠くなるような時間を掛けて織り上げられた反物は、光沢を出す為に糊付けされ、樫の木の台に置いて木槌で叩く「砧打ち」をします。3キロの木槌で3時間から4時間、叩き続けてやっとしなやかさと艶を蓄えたあの上布が出来あがります。

宮古上布の情報・商品を見る

芭蕉布とは《沖縄県》

芭蕉布とは

「喜如嘉の芭蕉布」は重要無形文化財指定。
数年かけ、200本の糸芭蕉から作られる着物。

芭蕉布は、糸芭蕉の繊維から作る沖縄の代表的な織物。古い書物には13世紀頃からすでに芭蕉布は織られていて、15世紀には現在の工程と同じ技法を使っていたと記されているといいます。 糸芭蕉は原皮が採れるまで約3年の成熟を待たなければなりません。また、背丈ほどにもなる糸芭蕉ではありますが、着物には内側のやわらかな繊維を用いるため、着尺一反分には約200本の原木が必要と言われます。芭蕉栽培から、伐採し、繊維を手で裂いて糸にし、織り上げるまで多くの手間と時間、根気が求められます。 戦前まで沖縄の各地で織られていましたが、今では大宜味村喜如嘉とごく一部の地域のみ。戦後、芭蕉布の生産が途絶えましたが、平良敏子さんにより復興が遂げられました。 1974年、重要無形文化財として、平良敏子さんを代表とする「喜如嘉の芭蕉布保存会」が保持団体として認定。2000年、平良敏子さん個人が、重要無形文化財「芭蕉布」の保持者に認定、人間国宝となられました。

芭蕉布の情報・商品を見る

八重山上布とは《沖縄県》

石垣島の自然に育まれた素材と
技の結晶が織り成す布

八重山上布は、沖縄本島から南へ約450キロの八重山諸島・石垣島でつくられる極上の麻織物です。苧麻(ちょま)の中でも「白ブー」と呼ばれる種類から糸を作るため白地が綺麗で、紅露(クール)や福木など多彩な植物で染めた明るい彩りは他の上布にはない魅力の一つです。原料のほとんどを島で調達し、織り上げた後は「海晒し」を行うなど、自然と向き合う丁寧な工程を経て仕上げられます。紅露による捺染絣以外は、昔ながらの手括り防染による浸し染めで絣糸を作ります。八重山上布は分業制ではなく、一人の作り手が図案から糸染め、織りまで行うため、一点一点に豊かな個性が表現されます。

八重山上布の情報・商品を見る

葛布(くずふ)とは《静岡県》

野趣味の中にきらめく糸の輝き。
古の貴人に愛された、自然と共生する古代布。

葛布(くずふ、かっぷ)は蔦性のマメ科の植物「葛」から作られる自然布の一つで、その歴史の古さから、芭蕉布、科布(しなふ)と共に日本三大原始布とも呼ばれています。
葛は、葛餅や葛根湯など食用の用途として知られていますが、繁殖力が強く繊維も強靭であることから、麻や綿が大陸から入ってくる以前の日本では、身近な植物である葛から布が作られていたと考えられています。やがて、葛の繊維特有の美しい光沢感を活かし、貴族の装束や武士の裃として身分の高い人々の装いに用いられるようになりました。
静岡県を南北に流れる大井川沿いは、鎌倉時代から続く葛布の名産地であり、「千年の歴史を途絶えさせない」という思いで、新たな葛布の魅力を世界へ向けて発信しています。
伐採した蔓を茹でた後、室で発酵させ固い外皮を溶かして繊維を採る等、その独特の製法も興味深く、自然の力を生かし自然と共生する布づくりの在り方に、今再び注目が集まっています。

葛布の情報・商品を見る