田畑家は江戸時代から御用御誂え染師として、常に時代の先端で独自の美意識を確立しながら最上流のご婦人方のお召し物を誂えてきました。
この度、五代 田畑喜八が田畑コレクション「白綸子地松竹梅文字散模様匹田縫小袖」(江戸前期)を令和に甦る寛文小袖として、新たに染め上げました。
本展では二作品を特別展示。江戸から令和へ、時代に花開く至高の美を是非ご高覧ください。
会期:2023年8月25日(金)~27日(日)
場所:銀座もとじ和染
◆詳細情報はウェブサイトでご覧ください
https://www.motoji.co.jp/
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ和織 03-3538-7878
(電話受付時間 11:00~19:00)
ぎゃらりートーク
五代 田畑喜八氏をお迎えし、店主 泉二啓太との対談形式で開催。
江戸前期の寛文小袖「白綸子地松竹梅文字散模様匹田縫小袖」(田畑コレクション)と本企画で新たに制作された“令和に蘇る寛文小袖”を前に、今回の制作の一連を京都の工房まで追いかけ併走させていただいた店主 泉二より、制作秘話や田畑家のものづくりについてお伺いします。
日 時:8月27日(日)10:00-11:00【満席御礼・キャンセル待ち】
場 所:銀座もとじ 和染
定 員: 40名様(無料・要予約)
田畑コレクション 特別展示
田畑家秘蔵のコレクションである江戸時代前期の寛文小袖「白綸子地松竹梅文字散模様匹田縫小袖」を特別展示いたします。
田畑コレクション図録(下写真)にも紹介されている歴史的価値の非常に高い小袖です。
※本企画にあたり五代 田畑喜八氏が染め上げた“令和に甦る寛文小袖”は3日間の催事期間中展示いたします。
日 時:8月26日(土)11:00~8月27日(日)16:00
場 所:銀座もとじ 和染
「かがやける小袖の美 田畑家コレクション」(朝日新聞社/1990)より
白綸子地/絞・縫 丈133.7cm 裄60.6cm
「遠山の金さん」が誂えた御鹿狩衣裳が令和に甦る!
五代 田畑喜八が紳士用羽織を特別制作
寛文小袖に加えてもう一つ、今回の企画展に向けて五代 田畑喜八氏が取り組んでいる作品があります。「遠山の金さん」のモデルとされ寛政期を生きた遠山金四郎(1793-1855)が当時誂えた御鹿狩(おししかり)衣裳を、田畑コレクションに伝わるひな形本(デザイン見本帖)を元に、現代に羽織として甦らせ染め上げます。こちらも小袖同様に8月25日(金)より店舗にて展示いたします。
作家在廊
8月26日(土)13:00-19:00
8月27日(日)11:00-16:00
令和5年、米寿を迎えられる五代 田畑喜八氏は、今も江戸時代から続く京都の工房で筆を動かし、大きな声で制作を仕切り、小川通りを北へ南へ自転車で奔走されています。
高校時代は美術部に属しながらも柔道の黒帯を取り柔道部を創設、さらに生徒会長を務め、早稲田大学では美学と美術史全般を専修。早稲田卒業後に京都市立美術大学にて日本画を専攻し、本格的に家業へ。
人間国宝の祖父・三代 田畑喜八と、父・四代 田畑喜八に学び、田畑家の精神と技術を引き継ぎながらも、藍彩の茶屋辻など「五代 田畑喜八」ならではの世界を確立されてきました。
大胆で軽妙、かつ繊細で風趣に富んだ作風は、現代のお洒落な女性の心を掴んで離しません。
「先生にお会いして元気をもらいました」
お客様皆様が口を揃えてそのように仰います。京都から銀座へいらしていただく貴重な機会です。ぜひ皆さまも、五代 田畑喜八氏に会いにいらしてください。
五代 田畑喜八氏のご紹介
お召しになる人が「華主」。
藍彩の美しさ際立ち、品格あふれる茶屋辻模様。
着る人が「華主」。お召しになる女性が「華の主」として一番美しく輝いて見えるように最大限の力を尽くしてものを作る。それが自分の仕事と言い切る五代 田畑喜八さん。 京友禅を手掛ける染屋として、田畑家では「藍の濃淡・摺疋田・縫い箔」を得意としてものづくりをされ、中でもライフワークとして手がける“茶屋辻染め”は独特の藍彩の美しさが際立ち、伝統的な古典文様を個性的に演出した品格のある粋を感じさせる出色の作品です。江戸時代から大切に使い続ける「藍の墨棒」で加筆することで図柄に陰影を添え、藍の濃淡を基調とした気品あふれる、格調高い、優雅でありながら芯に力強さのある着物を作り上げます。
《五代 田畑喜八氏 略歴》
1935年 京都府に生まれる
1959年 早稲田大学第一文学部美術専修卒業
1961年 京都市立美術大学日本画科終了
同年 田畑染織美術研究所入所
1971年 株式会社田畑染織美術研究所設立
1995年 五代田畑喜八襲名 代表取締役社長就任
2000年 伝統工芸品産業功労者褒賞
2006年 旭日双光章 受章