CSR

特定非営利活動法人銀座ミツバチプロジェクト

Ginza×CSR Vol.2 特定非営利活動法人銀座ミツバチプロジェクト

ミツバチで銀座の食文化と環境意識を育てる
銀座ミツバチプロジェクト

2013.05.15

最近、CSR(企業の社会的責任)という言葉を聞くようになってきましたが、銀座にも社会の課題解決に取り組む企業がたくさんあります。このコーナーは、そんな「銀座発CSR」をご紹介するシリーズです。2回目は、銀座の紙パルプ会館ビルなどの屋上でミツバチを育て、銀座発のハチミツ商品によって銀座の活性化を進めている「銀座ミツバチプロジェクト」の高安和夫理事長にお話を伺いました。

銀座で「地産地消」を

  • ─ なぜ銀座で養蜂を始めたのですか。
  • 銀座は文化創造の拠点なので、食の分野でも、消費するだけでなく新しい食文化をつくって発信していきたいと思っていました。そして、私が主催していた「銀座食学塾」という生産者を集めた勉強会で、銀座のビルの屋上を活用して農産物をつくり、街の老舗に使ってもらう「地産地消」のアイデアが生まれました。
    当初は、養蜂家の方に紙パルプ会館ビルの屋上を貸し出して、採れたハチミツをお裾分けしていただこうと思っていました。ところが、「養蜂業を営むにはスペースが足りないので、皆さんでしっかり養蜂を勉強して取り組んでみてはどうですか」とアドバイスをいただき、私たちが自ら養蜂にチャレンジすることになったのです。
    こうして2006年3月、約3万匹のミツバチを迎えて銀座ミツバチプロジェクトが立ち上がりました。
  • ─ 慣れない仕事でご苦労があったのではないでしょうか。
  • 全く経験のないことでしたから、すでに屋上養蜂をされていた永田町のビルや東京農大へ視察に行ったり、週1回養蜂の指導を受けたりしながら学んでいきました。
    ミツバチは刺すものと思い込んでいる方が多いですが、蜜を採りに行くのに忙しくて人間にかまっている暇などはないのです。よほど攻撃でもしないかぎり刺すことはありません。
    といっても、それを知らない人たちが不安になる可能性がありました。周囲のご理解を得るために、紙パルプ会館のテナント企業や、松屋通り、消防署、警察署、市役所などにも説明に回りました。

豊かな蜜源に囲まれた銀座

  • ─ 銀座のような都会でも蜜源(蜜が取れる場所)はあるのですか。
  • ミツバチの行動範囲である半径3km圏内には、銀座の街路樹のほか、皇居や浜離宮、日比谷公園など、花と緑がとても豊かな環境があります。ミツバチたちは、毎年4月から8月を中心に、桜、菜の花、マロニエ、ユリノキ、ミカンなど、さまざまな花の蜜を運んで来ます。ハチミツは採れる花によって、違った香りと味が楽しめるのですよ。
  • ─ どこの蜜源で採れたハチミツかは、どのように判断するのですか。
  • 朝の偵察から帰ってきたミツバチが、仲間に8の字ダンスを踊って蜜源の場所を指示するのですが、そのダンスを見ていると、大体どの辺りを目指して飛んで行くか、人間が見ても分かるのです。巣枠の上が太陽の方角です。そこからずれている角度で方向が分かりますし、8の字の大きさで距離の遠近も分かるので、「今日は浜離宮に出かけるのだな」などと見届ける訳です。

銀座の街で生まれたハチミツのコラボレーション

  • ─ 採れたハチミツから、どのような銀座発の商品が生まれたのでしょうか。
  • 三笠会館の地下のバー「BAR5517」さんでは、ソメイヨシノのハチミツを使って4種類のカクテルを作っていただきました。一般的に流通しているハチミツは糖度が高くて溶けにくいという印象がありますが、採れたての銀座のハチミツは糖度が低めでサラリとしています。芳しい花の香りもするので、バーテンダーさんたちには新しい発見だったようです。
    The project is also receiving support from shops such as Henri Charpentier, Mannendo in the Matsuya department store, その他、アンリ・シャルパンティエさん、松屋デパートの萬年堂さん、清月堂さん、ミクニギンザさん、メゾン・カイザーさんなどもご賛同くださり、銀座のハチミツを使ったオリジナルスイーツを作っていただきました。
  • ─ 今後も新しい連携が生まれそうですか。
  • 宝飾店のショーメさんとは、環境活動で協働していくことになりました。このように、ハチミツをご提供しなくても、コンセプトを共有できる街の企業の皆さんと連携を進めることができれば、幅が広がっていきそうです。

アンリ・シャルパンティエ 銀座産ハチミツ・マドレーヌ

緑豊かな街づくりで世界の人々から選ばれる銀座に

  • ─ ミツバチは植生を豊かにする役割もありますね。
  • 植物は、雄しべから雌しべに花粉が運ばれることで実をつけます。その花粉交配の役割を最も果たしているのがミツバチです。私たちが食べる穀物や野菜作りでもミツバチが活躍してくれています。銀座の街路樹が実を付けるようになれば、その実を食べに鳥が集まってくるでしょう。ミツバチたちは、花の蜜を集めるだけでなく、緑豊かで鳥のさえずりが聞こえる街づくりにも貢献しています。
  • ─ 今後、どのように銀座の街の魅力づくりにつなげて行きたいですか。
  • このプロジェクトを通して、銀座の街の皆さんに「これだけのハチミツが採れるほど、都会にも自然があったのだ」と気付いてもらえました。そして、「それなら、より緑の多い街を作ろう」という機運が高まり、ビルの屋上12カ所で地域コミュニティースペースになる屋上農園を運営するといった活動にまで発展しています。
    現在、世界のブランドのアジア旗艦店は、ありがたいことに銀座にありますが、街ならではの魅力を欠いたり、環境に配慮しない経済の発展を進めていったりすれば、いつかは上海など他国の都市に移ってしまうかもしれません。
    通りによって趣が異なる多様性に富んだ銀座は、一カ所の大型商業施設で買い物が完結するのではなく、“街を回遊すること”が大きな魅力の源です。世界でも指折りの豊かな自然が感じられる街となって、さらに回遊の楽しみが深まれば、いつまでも海外からも人が集まる魅力的な街であり続けるのではないでしょうか。

特定非営利活動法人銀座ミツバチプロジェクト 理事長

高安和夫

農業生産法人有限会社アグリクリエイト 取締役東京支社長
特定非営利活動法人銀座ミツバチプロジェクト理事長
1965年、千葉県生まれ。1989年、国学院大学法学部法律学科卒業。ナショナル住宅千葉パナホーム株式会社を経て、1999年、農業生産法人 (有)アグリクリエイトへ入社。2003年8月、取締役東京支社長就任。

インタビュアー

杉山香林

株式会社オルタナ コンサルタント 外資系IT企業や広告代理店、PR会社で、マーケティング・コミュニケーション、および事業戦略、新規事業開発に従事。2008年に独立、社会的課題解決に向けた啓蒙プロジェクトや、企業とNPOの協働支援、CSR活動のコンサルテイング、実務推進サポートを行っている。

取材・文:杉山香林

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