CSR

銀座ウエスト

Ginza×CSR Vol.24 銀座ウエスト

洋菓子と喫茶に継承される、銀座の紡ぐ文化

2016.12.01

「銀座×CSR」第24回で紹介させていただくのは、昭和22年に西銀座に創業した銀座ウエストです。素材にこだわり、職人の手でひとつひとつ手作りで提供される上品な味わいの洋菓子は、全国、そして海外に暮らすファンからも支持され続けています。今回は銀座ウエストの依田龍一社長にお話を伺いました。

よいものを選び、ていねいに届けてゆく

  • ─ ウエストはレストランからスタートし、その後喫茶店に転じ、洋菓子の販売へと事業を拡大されました。洋菓子は現在もすべて手作りされているそうですね。
  • 洋菓子は香辛料を加えたりするためか「人工的につくられた」というイメージをお持ちの方も少なくないと思います。私たちは、原材料の持ち味を生かすため、人工の香料、色素等はできるだけ使わないことを方針にしています。和菓子をつくるような感性で、素材本来の自然の味を楽しんでいただきたいと考えているのです。

    デリケートな素材をつかっていますので、機械では製造が難しく、必然的に、職人が手作りする製法をとっています。大量生産ができず東京近郊の店舗でしか販売しておりませんので、「東京土産」として選んでくださるお客様もいらっしゃいます。
銀座本店

銀座本店

  • ─ このようにクラシックで時のゆっくり流れる喫茶店も、今ではとても珍しいですね。
  • そうですね。時代の変化とともに、街にはさまざまな形態の喫茶店ができていますが、私たちは昔ながらの空間を今も守り続けています。

    先代からは「お客様が長居するのは、それだけ居心地がよいということなのだから歓迎すべきである。回転率や売上アップを考えてはいけない」と言われ続けてきました。私たちも、その考えを大事にしています。
銀座本店 店内

銀座本店 店内

店内で提供されるケーキ、店舗限定メニューもある

店内で提供されるケーキ、店舗限定メニューもある

  • ─ 創業当初にスタートした、三つ折りの栞「風の詩」を、現在も続けていらっしゃいます
  • 当初は店でコンサートタイムに流す名曲を紹介し、一般の人から募集した詩や随筆を掲載する「名曲の夕べ」という名前で始めました。初代選者は、先代と親交のあった林芙美子先生にお願いし、その他、高見順先生や深尾須磨子先生といった作家の方々にもご協力をいただいています。

    現在は私たちが、月に平均して60通ほどいただくお手紙の中から、合計4編を選ばせていただいています。こころがほっとするような日常を描いた作品を多くいただいておりまして、海外在住の方からご投稿をいただくこともございます。
毎週発行されている「風の詩」。2016年2月21日に3,500号を迎えた

毎週発行されている「風の詩」。2016年2月21日に3,500号を迎えた

社長自らが発信する会社

  • ─ 「風の詩」は、お客様とのコミュニケーションの場でもありますが、最近は、社長自ら、ソーシャル・メディアを使った発信も行なっていらっしゃいます。
  • 取引先のデザイン会社の方に勧めていただいたことをきっかけに、最初は見よう見まねで始めました。「お客様に有益な情報は何か」を毎日考え、朝に自分で原稿をつくり、なるべく1日1回は発信するようにと心がけています。
  • ─ 東日本大震災の後、福島の食材を使うということを発信されて、話題になりました。
  • 放射能検査の結果、健康への心配がない数値が出ているのに、福島のものというだけで使わないのはおかしいのではないかと考え、「原材料の一部に安全な福島食材を使っていきます」という宣言をしました。

    すると、その発信に対して、こちらが想像していた以
    上にとても多くの反響をいただくことになりました。中には批判的なご意見もありましたが、ほとんどが賛同や応援で、ツイッターのフォロワーも増えました。
  • ─ 会社の公式アカウントは広報担当者が運営している会社が多いと思いますが、御社が、社長自らの発信にこだわる理由とはなんでしょう?
  • 最終的に責任を持てる立場にある人が発信するのが一番ではないか、と考えているからです。
    毎日、何年も発信し続けることで、人間性や考え方も伝わってゆきますし、信頼をいただくことにもつながっていると思います。
社長自らが、ソーシャルメディアでの発信を行なっている

社長自らが、ソーシャルメディアでの発信を行なっている

「真摯」を社是に、真面目に、正直に

  • ─ 社是に「真摯」という言葉を掲げていらっしゃいます。
  • 私たちは、皆様のお口に入るものをご提供していますので、あそこのものなら安心だと思っていただけるよう、お客様からの信用を得ることがとても重要なことだと考えています。

    価格の設定についても、原価に適切な利益率をのせて、正直に算出していくようにという先代の考えを受け継いでいます。ですから、弊社の商品には端数の値段設定の商品が多いのです。原材料価格が高騰した際には、正直にそのことをお伝えして価格を変更させていただきました。これまで批判的なご意見をいただいたことは一度もなく、むしろお客様から「大変ですね」と応援のお声をいただきました。
  • ─ 環境への配慮も意識していらっしゃいます。
  • 小さい企業ですが、「できることはやっていこう」と、数年前に工場の屋根すべてにソーラー発電を取り付けました。全店舗の照明もLEDに切り替えています。
  • ─ これからの銀座に、どんなことを想いますか?
  • 昔ながらの風情を楽しみに銀座にいらっしゃるお客様はたくさんいらっしゃいます。そういったお客様のためにも、こういった昔ながらの日本独特の喫茶店を、大切に守ってゆきたいと思っています。
2015年12月には香港ショップをオープ

銀座ウエスト一宮工場

2015年12月には香港ショプをオープン

2015年12月には香港ショプをオープン

銀座ウエスト

代表取締役 社長  依田龍一

メーカー勤務を経て、2000年に先代を引き継ぎ二代目社長に就任。2014年には文筆家木村衣有子さんの著作「銀座ウエストのひみつ」に、その経営哲学が紹介された。
ライター

今井麻希子

株式会社オルタナ http://www.alterna.co.jp 外資系IT企業等に勤務の後、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議(COP10)にNGOの立場で参加したことを契機に、環境やソーシャルの分野に仕事の軸をシフト。生物多様性やダイバーシティをテーマに、インタビューや編集・執筆、教育プログラムの開発や対話型カウンセリング・セッションを手がける。

取材・文:今井麻希子 / 企画・編集:株式会社オルタナ

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