CSR・CSV

銀座ロフト

Ginza×CSR・CSV Vol.36 銀座ロフト

「時の器」 - 次世代型の暮らしの豊かさを銀座から世界へ

2020.03.01

「銀座×CSR・CSV」第36回で紹介させていただくのは「銀座ロフト」です。2017年6月にロフトの次世代型店舗としてオープンした同店は、2019年4月に大幅増床を行い、新生・銀座ロフトとしてグランドオープンしました。サステナビリティ(持続可能性)にもこだわった店内には、時代を捉えるどのような視点があるのでしょうか。今回は執行役員 銀座ロフト館長の掛井賢治さん、営業企画部 広報・渉外部の池田晶子さんにお話を伺いました。

時代とともに移りゆく「豊かさ」を

  • ─ 銀座ロフトは2019年4月に次世代型旗艦店としてグランドオープンしました。銀座ならではの展開が注目されていますね。
  • 掛井:
    ロフトは1987年の創業当初から、時代の感覚・ニーズを敏感に映し出す「時の器」としての店づくりを行ってきました。銀座ロフトは次世代型のフラッグシップとして「食」「日本」「自然」「ビューティー」「ストーリー」という切り口から、世界に発信できる雑貨を展開しています。

    地球環境や暮らしの未来を見据えた上で、本当に豊かな暮らしとは何か、新たな提案をしていくモデル店舗という位置付けです。

    時代とともにどんどん変わっていく「器」の上で、2週間に1回ほど新企画を展開していますので扱う商品数も相当ありますが、世の中の売れ筋ばかりではなく、「ここでしか得られないもの・体験できないもの」をコンセプトに、ロフトらしい商品・サービスをお届けしています。
  • ─ サステナビリティをテーマにしたコーナーも充実していますね。
  • 掛井:
    SDGs(持続可能な開発目標)やサステナビリティはまさに時代のテーマと言えます。銀座は感度の高いお客様がたくさんいらっしゃいますし、私たちも、より感度の高い方たちに発信していくことを意識しています。
1階のサステナビリティコーナー

1階のサステナビリティコーナー

  • 池田:
    銀座店は他店舗に比べて環境に配慮した商品が充実していて、エコバッグだけでも300種類ものご用意があります。

    ウミガメの鼻にストローが刺さった動画が注目を集めましたが、こうしたニュースをきっかけに使い捨てストローを止めたいと考える方も増えました。私たちも「マイストロー」として、ステンレス、チタン、アルミ、シリコンなどでできたストローを用意していますが、とても好評です。マドラー代わりに使ったり、プレゼントにされたりしているようです。

    掛井:
    一階に常設しているサステナビリティのコーナーでも、ストローが一番売れているんですよ。デザイン性はもちろん、収納できる袋付きなど、機能面でも進化しています。

    私たちロフトが意識しているのは、サステナブルということだけではなく、ロフトならではの遊び心。パッケージの可愛らしさや身体にも良いという観点からロフトらしい品揃えを考えてきました。文具や生活雑貨、健康グッズなど、あらゆる領域でSDGsのコンセプトを取り入れています。
フロア4階には環境に配慮したエコ洗剤などの商品が充実している。スポンジの回収や洗剤の量り売りなども

フロア4階には環境に配慮したエコ洗剤などの商品が充実している。
スポンジの回収や洗剤の量り売りなども

サステナビリティ発信の拠点としても注目

  • ─ オーガニックコスメなども、ロフトがいち早く日本で展開していた印象があります。このように先行した価値観を伝えることに難しさもあったのではないでしょうか。
  • 掛井:
    私は渋谷店のリニューアルにもかかわっていたのですが、その頃から「オーガニックやナチュラルはこれからくる」と意識をして商品を揃えていました。ただ当時はまだそういったものへの認知が低かったので、浸透は徐々にという状況でした。

    パリをはじめ欧米の都市に出張に行くと、サステナビリティを意識した商品を扱っているお店は当たり前のようにあります。昨年10月にニューヨークを訪れたのですが、流行っているお店はサステナビリティやエコがコンセプトのところばかりで、時代は完全にその方向に向かっていると実感しました。

    一方、どうして日本は遅れているのだろうと考えていたら、ある方から「それは教育の問題だ」と言われたのです。欧州では小さい頃から子どもたちに徹底的に教えている。日本にはそれがないのだそうです。
  • ─ そういった意味からも、銀座ロフトでのサステナブルな展開がもたらすインパクトは大きいと言えますね。
  • 池田:
    実際、お子さんへの教育的視点から、エコな商品を購入される方もいらっしゃいますね。

    ロフトではショッパー(お買い物袋)をプラスチック製から紙製に切り替え、マイバックの推奨もしています。

    銀座店で会計時にロフトアプリを提示する方の40%は、ショッパーを必要としない、ラッピングをしないという選択をしています。アプリにスコアが加算されるという特典ももちろんありますが、それだけ意識の高い方に来ていただいているということを実感しています。こうしたことから、習慣化していくのだと思いますね。

銀座のまちと共に、新しい時代の価値観を

  • ─ ロフトは各地域によって独自のコンセプトを持って展開されていらっしゃいますが、改めて銀座という街への想いをお聞かせください。
  • 銀座の良さは大人の街ということ。環境や健康への意識の高い方たちがたくさんいらっしゃいますので、良いものを提案すると、すぐに反応が返ってきます。銀座ロフトとしては今後も日本、エコ、食というテーマを掲げ、さらに広げていきたいですね。

    1階にはビーガンや自然素材などこだわりの店舗の入ったカフェスペースがありますので、この空間を使ってワークショップやライブなどいろいろなコラボイベントも展開していきたいと思っています。銀座は雑貨の世界的拠点としても注目されていることもあり、銀座の活性化に貢献できたらと思っています。
1階のカフェスペース

1階のカフェスペース

掛井賢治
執行役員銀座ロフト館長

掛井 賢治

㈱西武百貨店(現㈱そごう・西武)有楽町店入社。商品部趣味雑貨ロフト部バイヤー、㈱ロフト商品部バイヤー、03年横浜ロフト仕入販売課長、11年商品部リビング雑貨部長、12年渋谷営業部渋谷商品部長、14年執行役員商品部商品開発部長、18年より現職
広報・渉外部 広報担当(銀座ロフトプレス担当)

池田 晶子

㈱西武百貨店(現㈱そごう・西武)広報室入社、グループ会社・㈱ロフト秘書、池袋ロフト他店舗管理課長、店舗開発課長、総務担当を経て16年より広報担当、17年より現職

※所属・肩書は2020年2月現在のものです

今井 麻希子
ライター

今井 麻希子

株式会社オルタナ
外資系IT企業等に勤務の後、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約締約国会議(COP10)にNGOの立場で参加したことを契機に、環境やソーシャルの分野に仕事の軸をシフト。生物多様性やダイバーシティをテーマに、インタビューや編集・執筆、教育プログラムの開発や対話型カウンセリング・セッションを手がける。

取材・文:今井麻希子 / 企画・編集:株式会社オルタナ

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