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杉山 衛×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.24

杉山 衛×高嶋 ちさ子

2013.09.03

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、明治時代から続く老舗の寿司屋「銀座寿司幸本店」の四代目主人・杉山衛さんです。

夜のごはんは口説きの場。お寿司に合うワインも置いています

高嶋さん
寿司幸さんは、お寿司に合うお酒を揃えていらっしゃるんですね。
杉山さん
はい、特に銀座では、ディナーは口説きの場ですからね。男が女を口説くというだけではなく、例えば“うちの会社に来ない?”とか、“うちの品買ってください”とか、社長や部長を呼んで話をするとか、いろんな意味での口説きですけど。そのとき、お茶だけじゃだめですね、お酒がないと。だから、寿司だけじゃなくつまみがあるんです。
高嶋さん
うちの家族はみんなお寿司好きなんですけど、一滴も飲めないんです。だから、行ったとたん握ってもらうんですよ。家族6人で一気に(笑)。
杉山さん
そうなんですね。寿司屋にとっては一番いいお客さんですよ。
高嶋さん
お寿司屋さんには珍しくワインも置かれてますね。
杉山さん
はい。ワインしか飲めないお客様がいらしたのがきっかけで、置くようになりました。それから自分でもワインの勉強をして、寿司に合うのと合わないのを取捨選択して置くようになり、ついにはオーストラリアの老舗ワインブランド「ジェイコブス・クリーク」と共同して、“魚”や “しょうゆ”との相性がよいワインを開発しました。
高嶋さん
ワインを作られたんですか!すごいこだわりですね。じゃあ、最近はお寿司に日本酒や焼酎じゃなく、ワインを選ぶ方も結構多いですか。
杉山さん
そうですね。でも、やっぱりお客さまによっていろいろです。だから、うちでは要望にこたえられるように、準備を怠らないようにしています。接待する側がお客さんを満足させるためにどうしたらいいか考えますから、その期待に添える店でありたい。あそこの店に連れていけばわがままな人が相手でもなんとかなるぞ、と思っていただきたいんです。高いお金を払って銀座に来られるわけですから。
高嶋さん
お客様のわがままに答えられるようにお酒の種類も豊富に揃えているんですね。
杉山さん
はい。たとえば“私はこんなワインしか飲めないぞ”って言われたときに、“ありますよ”って言えることがサービスなんです。ビールも、普通なら1銘柄だけ揃えている店が多いと思いますが、うちでは4銘柄揃えている。だから、銀座の店は少々高いですが、それだけいろんなお客様のニーズにこたえられるよう、努力をしているからですね。サービスもそうだし、もちろん食べ物に対してもそうだし、いろんなことに対していろんなかたちのお客様のニーズにこたえられる店が、銀座の店ですね。
高嶋さん
大変! 銀座って、やっぱり特別な場所ですね。
杉山さん
僕は、銀座って“ハレの街”だと思っています。奥さんの誕生日だったり、娘の入学祝いだったり。そういうときに、今日は銀座に行こうか、とちょっといい服を着てお出かけするという街だと思っています。だから、そういう大事な席のお客様が多い分、緊張感を持ってお店をやっています。

杉山さんが共同開発したワイン

安心して連れてこられる雰囲気もいい寿司屋の条件

高嶋さん
杉山さんのご趣味は何ですか?
杉山さん
貯蓄、納税、読書です(笑)。
高嶋さん
すごーい、えらい! 素晴らしいですね。
杉山さん
あと、クラシック音楽鑑賞です。
高嶋さん
あら!本当ですか?
杉山さん
はい。オペラへ行くのが好きですね。年に2回ぐらいですけど。ほとんど寝ちゃうときもありますけどね(笑)
高嶋さん
私も寝てしまったことがありますね。しばらく寝てて、目を開けたらまだ同じシーンだった(笑)。
読書は何系がお好きなんですか?私は2ページまでに人が死なない本は読まないんですよ。
杉山さん
僕もだいたいそうですね(笑)。基本雑多ですが、小説系を読むことが多いです。
高嶋さん
最後にいいお寿司屋さん、いい寿司職人とはどういうものか聞かせていただけますか?
杉山さん
一番は安全だと思いますね。安全で安心。食べ物の衛生面ももちろんだけど、まわりの会話の雰囲気も大事。彼女や娘さんを連れて行っても安心な、失礼のない店がいい店だと思いますね。結婚記念日や娘のお祝いに連れて行くときに、その場をちゃんと保てる店がやっぱりいい。
高嶋さん
それは簡単に作れるものじゃないですよね。年月をかけて…
杉山さん
そうですね。みんなに満足感を与えるというのは非常に難しいわけで。しかも初対面の人も多いですし。その短時間の間にいかにその人たちの心をつかんで、その場をうまくやれるかも職人の腕ですね。親子でもいいし、友だち同士でもいいし、その口説きの場として使っていただき、満足して帰っていただくために頑張っています。

次回のゲストは……?

高嶋さん
次回のゲストをご紹介いただけますか?
杉山さん
お香で有名な鳩居堂の熊谷社長です。お香や書などの日本文化を江戸時代から牽引しているお店ですからね。その歴史を聞くだけでも価値があると思いますよ。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

杉山 衛

ワインと一緒にいただける寿司屋としても人気の「銀座寿司幸本店」四代目。銀座で生まれ育ち、19歳で店へ弟子入り。江戸前寿司の伝統を守りながら、新しいエッセンスを加えた名店で、行き届いたサービスと温かいおもてなしをしてくれる。

取材・文:高橋瑞穂  取材場所:銀座寿司幸本店

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