GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

新本 桂司×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.38

新本 桂司×高嶋 ちさ子

2014.11.05

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞い ていただきます。今回のゲストは、明治時代から貴金属や鉄道模型を扱う「天賞堂」の代表取締役社長、新本 桂司さんです。

高級時計ブランドから鉄道模型まで幅広く扱う天賞堂

高嶋さん
創業は何年になりますか?
新本さん
1879年に商売を始めまして、今年で創業135年になります。当初は印鑑屋だったんですが、その後、宝石や輸入時計を扱うようになり、現在に至ります。『オメガ』(1848年創業のスイス高級時計ブランド)は、弊社が日本で初めて紹介したんですよ。
高嶋さん
常に一歩先をリードされてきたわけですね。
新本さん
初めて商品に定価表記をして販売をしたのも弊社でした。昔は対面販売が基本で、定価表示ではなかったそうです。
高嶋さん
興味深いのが、鉄道模型も製作、販売していらっしゃるということなんですが、何かきっかけがあったんですか?
新本さん
鉄道好きだった祖父が始めたんです。昔は真鍮製の鉄道模型を、熟練の職人たちが全て手作業で仕上げていました。最近はプラスティック製が人気ですが、年季の入った鉄道模型愛好家には真鍮ファンが多いです。
高嶋さん
天賞堂さんの鉄道模型は〝鉄道模型のロールスロイス〟と言われているそうですね。
新本さん
はい。全て手作業で細部までこだわって仕上げているところはなかったですから。
高嶋さん
輸入時計店で鉄道模型を扱っているとは意外でした。
新本さん
弊社はそのほか、法人外商部という部署がありまして、たとえば、企業の記念品、盾や記念カップなどの製作を、数えきれないくらい手がけています。最近では、松井秀喜さんと長嶋茂雄さんに贈呈された国民栄誉賞の記念品バットも製作しました。純銀に金のコーティングを施した特注品です。
高嶋さん
え~!
新本さん
実はいろいろやっているんですよ(笑)。他にも、WBCのチャンピオンリングなんかも製作しました。
高嶋さん
すごいですね!

天賞堂製の鉄道模型

法人向けの記念品制作サービス

通な人にはたまらない、マニアックな時計ブランドの数々

高嶋さん
実は私、時計が死ぬほど好きなんです!
新本さん
そうなんですか!? でも弊社は、残念ながら女性用の時計はあまり扱っていなくて…。
高嶋さん
私、女性物にはあまり興味ないんですよ。『ジャガー・ルクルト』(1833年創業のスイス高級時計ブランド)とか、『ジラール・ペルゴ』(1791年創業のスイス高級時計ブランド)とか、男物の時計が好きなんです。
新本さん
なるほど! 弊社は基本的にアパレルブランドの時計は扱っていなくて、時計だけやっているブランドにこだわっています。お客様も必然的に男性が多いですね。
高嶋さん
主人にも時計を贈ることが多いんですけど、『ピエール・クンツ』(2002年創業のスイス高級時計ブランド)のすごくかっこいい時計をプレゼントしたことがあって……。お友達に主人が「その時計どこの?」って聞かれたときに、『ピエール・エルメ』(有名パティスリー)って答えていたんですよ(笑)。主人も時計好きなんですけど、自分がこだわって買ったものじゃなかったから、興味がなかったんでしょうね(苦笑)。
新本さん
なんとなく名前が似ていますね(笑)。
高嶋さん
でも、バブルの頃はそれこそ、時計といえば、『ロレックス』(1905年創業のスイス高級時計ブランド)か『オメガ』だったのに、今はすごくブランドが増えましたよね。
新本さん
そうですね。マニアックなブランドが増えましたね。知られていないだけで、歴史があるブランドが多いんですよ。
高嶋さん
そうですよね。『パネライ』(1860年創業のイタリア高級時計ブランド)なんか、あまり知られていなかったんですけど……。
新本さん
ここ数年ですごく人気が出てきていますね。高嶋さんはどこの時計がお好きなんですか?
高嶋さん
『ブライトリング』(1884年創業のスイスの高級時計ブランド)がいいですね~。
新本さん
今すごく人気がありますね。宣伝がうまいし、カタログひとつにしてもこだわりを感じます。
高嶋さん
時計に囲まれて、楽しそうなお仕事でいいですね~。バーゼル・フェア(スイスのバーゼルで行われる世界最大の時計の見本市)とか行ってみたいです!

左から「オメガ」「ブライトリング」「ジャガー・ルクルト」

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