GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

山口 さゆり×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.8

山口 さゆり×高嶋 ちさ子

2012.05.02

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、老舗高級クラブ「グレ」のママ、山口さゆりさんです。

先代のママはフィリピンに学校を作るボランティアをやっています。

高嶋さん
お店はどのくらいになるんですか?
山口さん
今年の3月に36周年を迎えました。私がここを引き継いでからは5年目になりますね。
高嶋さん
前のママから白羽の矢が立ったときは、どんなお気持ちだったんですか?
山口さん
お店を譲るといっても、実際はなかなか譲らないママが多いんですよ(笑)。だから、そんな感じなのかなと思っていたんですけど、先代のママはさっさと引退してしまって(笑)。「第2の人生を生きるわ」って、あっさり(笑)。
高嶋さん
ちなみに、先代のママは、今は何をされているんですか?
山口さん
フィリピンに学校を作るボランティアをやっています。
高嶋さん
ええ?嘘でしょ?
山口さん
本当なんですよ~(笑)。これまで、ファーストクラスとハイヤーとグリーン車しか乗ったことがないような人でしたから、お客様にも無理だろうって言われていたんですけどね。今は、2万9800円の格安チケットでフィリピンに行っているんですよ。

「君を認めるよ」って言って下さって。あのときは本当に嬉しかったですね。

高嶋さん
かっこいいですね~。では実際、こちらでママとなってみていかがでしたか?
山口さん
27歳のときにここに入って、3年間雇われママとして働きました。引き継ぐといっても、光安久美子ママの大ファンのお客様ばかりでしたから、なかなか認めて下さらない方ももちろん何人かいらっしゃったんです。だけど3年目にしてやっと、〝石の上にも3年〟ってことわざじゃないですけど、「君を認めるよ」って言って下さって。あのときは本当に嬉しかったですね。
高嶋さん
これだけの有名店で老舗ですから、かなりの重圧もあったわけなんですね。
山口さん
ええ。でも、お客様は優しい人ばかりなんですよ。先代のママが自由奔放な方だったので、私は普通に出勤時間を守るだけで誉められるんです(笑)。

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