GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

川瀬 和人×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.64

川瀬 和人×高嶋 ちさ子

2017.03.01

バイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんがゲストの方に、銀座のあれこれをディープに聞いていただきます。今回のゲストは、ベビー服・子供服専門店の老舗「銀座いさみや」の常務取締役 川瀬和人さんです。

洋装生地店として大正11年に創業し、子供服専門店へ

高嶋さん
大正時代の創業だそうですが、その歴史をお聞かせください。
川瀬さん
創業は大正11年で、僕の曾祖父が、生地やオーダー注文服の販売を行う洋装生地店としてスタートさせたのが始まりです。そして、昭和41年に現在の共同ビルになった後、僕の父が徐々に子供服専門店にシフトさせていきました。
高嶋さん
私が子どもの頃から、この場所にありますもんね。オリジナル商品も置いているんですか?
川瀬さん
オリジナルではなく、子供服メーカーの展示会に参加し、発注したものを揃えています。今は、30社ほどのメーカーさんとお付き合いがありますね。銀座エリアには子供服のお店がかなり少ないのですが、これだけの品揃えのセレクトショップは恐らくうちだけかと思います。
高嶋さん
今ってどんなタイプの子供服が人気ですか?
川瀬さん
凝った造りのものよりも、TシャツならTシャツ、ワンピースならワンピースなど、上品でシンプルな形の子供服を好まれる方が多いですね。また、うちは女の子用の服が6〜7割を占めていますが、ワンピースなら、フリルがついたようなガーリー路線のデザインが人気です。
高嶋さん
銀座のお店と聞くと、ちょっとお値段が高そうなイメージがありますが……。
川瀬さん
そんなことはないですよ。日常使いできるものから特別な日の贈り物まで、お客様のニーズに応えられるように、幅広い価格帯のものを取り揃えています。今、店頭に置いてある洋服であれば、一番リーズナブルなもので1900円くらいのTシャツも。ただし、どの子供服も、肌に優しいなど品質にはこだわっていますね。
銀座いさみや

銀座いさみや

ベビーにもパパ・ママにも優しい店へリニューアル

高嶋さん
2010年に店舗をリニューアルした際にもさまざまなこだわりを詰め込んだそうですが、どのようなこだわりが詰まっているのでしょうか?
川瀬さん
「銀座いさみや」は地下1階と1階が売り場になっているのですが、以前は地下に新生児〜95cmのベビーサイズ、1階に100cm〜160cmの大きなサイズを展開していました。でも、8年ほど前にベビー売り場を担当することになったとき、若い世代のお母さんから「いさみやさんに買い物に行きたい人は周りにたくさんいるけど、エレベーターがないからベビーカーで入れなくて……」と言われたんです。でもうちは銀座三越さんの建物の一部ということもあって、エレベーターをつけることができなくて。それで、ちょうど6年前に改装の話が出たタイミングで、思いきって1階と地下1階の売り場構成を総入れ替えしました。今は、1階で新生児〜110cm(幼稚園年長さん)、地下1階で120cm(小学1年生)〜ジュニア(小学校高学年)を展開しています。
高嶋さん
ベビーカー連れのママにも入りやすくなったんですね。結果、お客さんは増えました?
川瀬さん
一カ月単位で1000人以上も来店者数が増えました。
高嶋さん
それはすごいですね!
川瀬さん
はい、実は僕も子供が2人いるんですが、ちょうど改装した年に第一子が生まれたので、親目線でいろいろと考えられたのはよかったです。改装では、ほかにも「ご両親にゆっくり買い物をしてほしい」という思いから店内に「遊び場」を設置したり、子供の安全性を重視して床をコルクにしたり棚の角を丸くしたりと、さまざまな工夫をしました。
高嶋さん
なるほど。確かに、子供ができると見方が変わりますよね。私も自分の子供が生まれてからは、ベビーカー連れで楽しめる「バギーコンサート」や、小学生の子供と一緒に行ける「ファミリーコンサート」を開催しましたもん。やっぱり自分の生活に近いと、イベントを行うにしても燃えますよね(笑)。いろいろとアイデアも湧きますし。
川瀬さん
そうですね。もともと子供が好きなこともあり、やりがいがあります。
銀座いさみや 1階店内

銀座いさみや 1階店内

キッズコーナー

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