GINZA CONNECTIVE (高嶋ちさ子対談シリーズ)

中村 千恵子×高嶋 ちさ子

GINZA CONNECTIVE VOL.39

中村 千恵子×高嶋 ちさ子

2014.12.04

ヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんと、銀座人たちの対談シリーズ。高嶋さんにとって銀座は、仕事でもプライベートでも思い入れのある街。そんな高嶋さんに、ゲストの方をお迎えして銀座のあれこれをディープに聞い ていただきます。今回のゲストは、明治時代から続く西洋楽器店「銀座十字屋」の代表取締役会長、中村千恵子さんです。

銀座からいろいろな音楽を発信していきたい

高嶋さん
コンサートをはじめ、十字屋さんではいろいろな企画を開催されていますが、全部ご自身で考えていらっしゃるんですか?
中村さん
そうですね。企画を考えるのは楽しいんです。でも、開催日が近づいてくると胃が痛くなっちゃうの。ちゃんと上手くできるかしらって、いつもハラハラドキドキなんですけど(笑)。お客様に喜んでいただけるのが本望ですから、銀座からいろいろな音楽を発信できたらなという思いで続けています。お客様に来てよかった、演奏者にやってよかった、と言われるのがうれしいですね。もうそろそろ引退しなくちゃいけないんですけどね(笑)。
高嶋さん
いえいえ、うちの父は80歳ですけど、まだまだ毎日仕事で飛び回っていますよ。母は父に家にいられるとイヤなので、仕事をしていてくれって言っています(笑)。
中村さん
お母様は何をなさっているの?
高嶋さん
ずーっとピアノを弾いています。ピアノと麻雀が母の趣味なんです。
中村さん
麻雀いいわね。私もやってみたいです。お母様、お上手なんでしょ?
高嶋さん
ええ、相当腕が立つみたいですね(笑)。

銀座へのお返しが音楽。お互いを応援し合える街でありたいです

高嶋さん
中村さんのお生まれは銀座ですか?
中村さん
私は違うんですけれど、母が銀座生まれだったんです。でも、子供心にも銀座に行くとなると、オシャレをして出かけていく街という認識がありましたね。
高嶋さん
私も、子供の頃は祖母に連れられて、銀座に来ていました。『ヨシノヤ』で靴を買って、『サヱグサ』で洋服を買って、そのうち『ヤマハ』で楽譜を買うようになって…。
中村さん
あら、『十字屋』で楽譜は買わなかった(笑)? 昭和40年代頃までは、十字屋は輸入楽譜が豊富で、他では買えないようなものまで扱っていたんですよ。
高嶋さん
! そうなんですね! それは存じませんでした…。
では最後になりますが、このように常に時代をリードされてきた十字屋さんですが、これからの銀座に対する想いなどをお聞かせ下さい。
中村さん
十字屋は、音楽と文化を発信する場所でありたいなと思っておりますが、これも銀座という場所にあってこそ成しえたことだと思います。私たちは音楽を提供することでみなさまに楽しんでいただけることが、銀座へのお返しだと思っています。もちろん、より銀座の魅力を知っていただきたいので、サロンでコンサートを楽しんでいただいたお客様に、新しいお店や、おすすめのレストランやイベント情報をご紹介して、他の銀座のお店にご興味を持っていただけるようにお声掛けをしているんです。お互いを応援し合えたらいいですね。銀座全体が、あったかい気持ちで支え合えられたらなと思っています。

高嶋 ちさ子

ヴァイオリニスト。6歳からヴァイオリンを始め、海外で活躍後、日本に本拠地を移し、全国各地でコンサートを行っている。現在は、演奏活動を中心としながらも、テレビやラジオ番組の出演などでそのキャラクターが評価され、活動の場はさらに広がりを見せている。

高嶋ちさ子オフィシャルウェブサイト

中村 千恵子

「銀座十字屋」代表取締役会長。立教大学卒。フリーアナウンサー・中村江里子さんの母。
音楽視聴の楽しさ、特にハープの普及に励み、20年以上に渡り、「ランチタイムコンサート」、「銀座 十字屋午後のサロン」、「霜月音楽会」など数多くの音楽イベントを企画運営する。
また、外出困難な人々やクラシックコンサートへ出向く機会の少ない子供達のために、高齢者住宅 や小学校などでの出張コンサートにも取り組む。

「銀座十字屋」ウェブサイト

取材・文: 岡井美絹子 取材場所:銀座十字屋

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