レポート

Report

連続シンポジウム

新しい銀座ヴィジョンに向けて

全銀座会G2020と銀座街づくり会議は、銀座がその魅力を最大限に生かし、オリンピック・パラリンピック後も、未来にわたって唯一無二の、光り輝く個性を放つ街でありつづけるために新しいまちづくりヴィジョンを描きたいと考えています。
そのため、幅広く情報を集め意見を聞く機会が必要だと考え、2016~2017年度にかけて、連続シンポジウムを開催することにしました。それらをまとめてゆき、アクションにつなげると同時に、2019年に銀座まちづくりヴィジョンの発表を目指します。

第1回 変貌する東京のなかの<銀座>

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を前に、東京は大きく変貌しようとしています。2014年には「東京都長期ビジョン」が発表され、東京を世界一の都市へと成長させることが目標として掲げられました。日本の近代都市の歴史と共にあると自負する銀座は、次世代の新しい都市の姿を率先して描いていきたいと考えています。そして、夢のある未来につながるレガシーを遺していきたいと考えます。世界の都市は次々と、その個性と創造力を発揮し、生まれ変わっています。そして東京には、個性ある街が連立し、それぞれの魅力を発信しています。そのなかで銀座は、どのような位置づけにあり、どのような可能性をもっているのでしょうか。

基調講演:
「変貌する東京のなかの<銀座>」
講師:
中井検裕(東京工業大学環境・社会理工学院教授)
パネルディスカッション:
「銀座から変える東京」
司会進行:
中島直人(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授)
中井検裕/井上俊幸(三菱地所㈱)/岡田正志(東急不動産㈱)/河村隆司(三井不動産㈱)/御厨宏靖(森ビル㈱)/吉野敏郎(東京都都市整備局都市づくり政策部土地利用計画課)/岡本圭祐(全銀座会街づくり委員長)

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第2回 銀座の公共空間の活用

銀座は銀ブラの街、歩いて楽しい街。そして商業の街。海外観光客も増加する今、より多くのお客様に銀座を回遊し楽しんでいただき、街全体を活性化するために、重要なのが公共空間の活用です。銀座に公園は少ないですが、道路も公共空間のひとつです。海外では、道路活用による街の活性化のさまざま事例が生れており、区にも規制緩和の方向へと動き出しています。

基調講演:
「誰のための公共空間か」
講師:
出口敦(東京大学大学院新領域創成科学科研究科教授)
報告:
「銀座歩行者天国について」
講師:
三浦詩乃(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院助教)
パネルディスカッション:
「銀座における公共空間活用の可能性」
司会進行:
中島直人(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授)
出口敦/太田浩史(東京ピクニッククラブ)/泉山塁威(明治大学)/伊藤明(㈱伊東屋)

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第3回 世界から見た銀座の都市デザイン

著書「日本の都市から学ぶこと」において、日本の文化と都市のあり方との関係に鋭い考察を提示したバリー・シェルトンさんに実際に銀座の街を歩いてもらい、建築・街並み・広告の関係、銀座デザインルールの考え方について、批評していただきます。都市を線上空間の集合構造とみなすヨーロッパと、自立した面のパッチワークと捉える日本。街路が、見る-見られるための舞台でもあるヨーロッパと、街路とはあるゆるサインが前面に出、情報が脈動する経路である日本。日本では、建築ファサードデザインも、中で何が起こっているかを伝える情報なのだと、シェルトンさんは言います。その違いは、漢字・ひらがな・カタカナ、さらにはアルファベットが混在する文字文化に由来すると、シェルトンさんは喝破しました。銀座デザイン協議会を立ち上げて10年。明治以来、日本の近代化を担ってきたと自負する都市・銀座は、どのような都市デザインを目指すべきなのでしょうか。

基調講演:
「世界から見た銀座の都市デザイン」
講師:
バリー・シェルトン(シドニー大学名誉教授)
パネルディスカッション
バリー・シェルトン/蓑原敬/小林博人

第4回 変わりつつある都市の街並みと建築
~変わらぬ建築と激しく変わる広告媒体との調和~

2017年春、銀座6丁目に新しい商業施設「GINZA SIX」が誕生しました。
銀座街づくり会議・銀座デザイン協議会では、銀座では異例の、街区をまたぐ大規模な建築物のデザインについて、約10年にわたり協議を重ねてきました。GINZA SIXのデザインを行った谷口吉生氏は、街の人々との丁寧な意見交換と協議をふまえ、「ノレンとヒサシ」という明確なコンセプトによるデザインと、多数のテナントのデザイナーとのデザイン調整によって、世界的な建築デザイン評価にも耐えうる建築物全体の統一性を時間的な安定性を創り出すと同時に、日本の伝統的な街並みが持つ、よりソフトで流動的な街並み表層の変化にも対応できる優れた建築デザインを実現しています。この建築が街並みに提起する課題とは、どのようなものでしょうか。

トークセッション:「街並みに建築家が果たす役割とは?」
谷口吉生(谷口建築設計研究所)/豊田啓介(noiz主宰)/小林博人(慶應義塾大学教授)

G2020 News Letter Vol.7『変わりつつある都市の街並みと建築』

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