「ずっとこれからも美食の街・銀座、だからこの店!」第3弾は、銀座の洋食文化を牽引してきた「銀座 みかわや」。4代目の渡仲晋平さんは、店主同士、そして店主とお客様による互いの磨き合いが銀座の魅力であり、輝きの本質であると語ります。この苦境の最中でもお客様の願いを想像しながら、銀座の店主としての誇りが生み出す銀座らしいチャレンジに挑んでいます。
番組名: | Hello! RADIO CITY(中央エフエム 84.0MHz) |
放送日時: | 2021年2月18日(木)12:05~12:20 |
ナビゲーター: | JUMI |
出演者: | 渡仲晋平(銀座みかわや 専務取締役) |
お店もお客様さまも、お互いの磨き合いで輝く街
- JUMI
- 今回のAMAZINGなゲストをご紹介します。銀座みかわや4代目、専務取締役の渡仲晋平さんです。渡仲さん、よろしくお願いいたします。
- 渡仲
- どうぞよろしくお願いいたします。
- JUMI
- 今日はお店のユニフォームでいらしてくださっています。コンシェルジュとしてのお姿のままですね。渡仲さんのプロフィールや銀座との個人的な関わりを教えていただけますか。
- 渡仲
- 銀座4丁目の洋食店、みかわやで4代目の店主としてがんばっています。お店に入ってからはまだ5年程で、その前は10年ほどサラリーマンでした。そこからサービスの勉強を1年ほどして今に至ります。まだまだ勉強の最中なのでお客様にいろいろと教えていただきながらがんばっています。
- JUMI
- 歴史があるみかわやさんですから、「晋平くん、がんばっているかい?」というような先代、先々代からのお客様もいらっしゃるんでしょうか。
- 渡仲
- やはり長くご利用いただいている方は多いですね。50年以上通ってくださっている方もいらっしゃいます。そういう方々にしてみれば私は孫世代になりますので、細かいこともお客様が教えてくださったりします。それが日々積み重なって、良いことも悪いことも学びながら毎日を過ごしています。
- JUMI
- 銀座のどんなところがお好きですか。
- 渡仲
- 銀座の特徴は、個々の商店の集まっていることだと思います。それぞれのお店が誇りや自信をもって商売をされているので、同じ業態であってもライバル心よりも商売の仲間としてお互いに磨き合っています。それによって街全体が輝くことが銀座の良さだと思います。その輝きを楽しみにして、胸を躍らせながら来てくださるお客様もいらっしゃいます。お店もお客様さまも、みんなが輝く街、というのが銀座の魅力だと思いますね。
- JUMI
- 今の渡仲さんのお話をお聞きして、新しい発見がありました。つまり、お店同士はライバルではなく仲間として、互いに切磋琢磨して磨き合っている。だから銀座の街はいつもきらきら輝いているんですね。この素晴らしさを感じるからこそ、お客様もテンションが上がるんでしょうね。そしてそれぞれのご商売に誇りと歴史もある、ということを考えれば、やはり銀座は特別な街ですね。
ジャンプ!の直前
- JUMI
- 昨年からコロナ禍が続いていますが、今の銀座をどのように感じていますか。
- 渡仲
- 大変厳しい状況です。銀座で商売をしている人たちは、銀座という大きな看板の下で、商売させていただいているという気持ちを持っています。一方で自分たちが銀座をつくっているという気概も強いです。みなさん銀座を大切にしているので、なにを行うのにも慎重にならざるを得ない部分があって、そのぶんお客様にもご迷惑をおかけしていると思います。でも、コロナが落ち着いたら一段と輝く銀座にしていきたいという思いがあります。そうしたらまた銀座に足を運んでいただきたいです。今は銀座のお店同士もお客様とも、お互いに手を取りあって耐え抜いている状況だと思います。
- JUMI
- より一層輝く銀座に向かって、着実に、そして確実に進んでいますよね。強い支え合いとみなさんの絆で今を耐えているんですね。いまは次の銀座に向かって「ジャンプをしよう!」という直前で、まさにしゃがんでいる状態ですね。
- 渡仲
- 絶対に安全だというタイミングに思いっきりジャンプできるように、いまはがんばってしゃがみこんでいる状態だと思います。
師匠の教えがつないだ歴史
- JUMI
- みかわやさん一押しのメニューを、ラジオをお聴きのみなさんが今すぐ食べたなるようなイメージでご紹介いただけますか。
- 渡仲
- 私どもみかわやの歴史のなかで非常に重要なターニングポイントになった「芝海老のグラタン」をご紹介します。みかわやは洋食店として創業73年を迎えました。戦後間もない時期に私の祖父の初代店主が、横浜のホテルニューグランドで仕事をしていました。日本の洋食を大きく変えた有名なホテルで、初代料理長を務めたサリー・ワイルという歴史に残る人物の愛弟子として、技術や心意気を学びました。そして縁あって今の銀座みかわやとして独立して開業しました。グラタンといえばマカロニグラタンを想像される方が多いですが、ホテルニューグランドに所以があるゆえに、当店のグラタンにはバターライスが少しだけ入っています。ドリアに近いですが、ライスの量はドリアほど多くはありません。生の芝海老を白ワインで蒸し上げてバターライスを少し、そしてそこにベシャメルソースとモルネーソースをかけまして、これにチーズをのせて焼いたグラタンです。最初は商売に苦労したみたいですが、この「芝海老のグラタン」が新聞に載って、そこから息を吹き返して今の店があります。銀座みかわやの歴史の1ページになる料理で、これがなければいまのお店は存在していなかったかもしれません。
- JUMI
- 本当に大きなターニングポイントだったんですね。「芝海老のグラタン」がなければ渡仲さんがここにいなかったかもしれないんですね。銀座みかわやさんは11時半から通し営業をなさっていますから、ランチタイムをちょっとはずしてしまっても食べられますね。
- 渡仲
- 14時以降に見える方もたくさんいらっしゃいますので、ぜひいらしてください。
デリバリーにも銀座らしさを込めて
- JUMI
- いま、銀座のお店は大きな変革、チャレンジをなさっていますね。前回、日東コーナーの竹田さんにご出演いただいたときに、「おいしい銀座デリバリー」が始まるお話を聞きしました。どんな状況でしょうか。
- 渡仲
- 私もこのプロジェクトに参加させていただいていて、何度もミーティングを重ねています。3月1日の本格稼働を目指して急ピッチで進めています。システムとしてはおおよそできあがりに近い形で、あとはお店側の準備という段階ですね。これからは銀座の名店のお料理がご自宅で、いろんなお店の料理を同時に味わえるようになります。
- JUMI
- それはうれしいですね!贅沢なデリバリーですね。
- 渡仲
- 飲食店が何をやりたいのかを大事にしてつくってきましたので、今までのデリバリーの仕組みとは一線を画すものですね。
- JUMI
- デリバリーでも名店の味の質をおとさないように、店主のみなさんはかなりご苦労なさっていると思います。いかがでしょうか。
- 渡仲
- 品物の選定もデリバリーに向き不向きがあります。お届けする以上、衛生面への留意が必要です。さらに、お手元に届いてからもう一度温めていただくときに、味が変わらないように変化に耐えられるものでなくてはなりません。そして、お届けする配送員もそのお料理のイメージを崩さない方でなくてはなりません。細かいところまで考えていますので、ぜひ期待していただきたいと思います。
- JUMI
- 銀座みかわやさんではもともとテイクアウトはなさっているようですが、今度はデリバリーにも挑戦されるんですね。デリバリーには銀座の名だたるお店が参加されるとうかがっています。とても楽しみにしています。
- JUMI
- 最後に渡仲さんからリスナーの方へのメッセージをお願いします。
- 渡仲
- いま、コロナ禍でみなさまも、そして銀座の街も大変辛い状況です。ただ、いよいよ光が差してきたようですので、出口ももう少しだと思います。銀座のお店も出口に向けて準備をしていますので、また銀座にいらしていただきたいと思います。春に予定しているイベントも銀座らしく手作りで企画しています。この先の銀座に期待していただけるとお店側としても大きな励みになります。ぜひ応援をお願いいたします。
- JUMI
- 本当にワクワクする力強いメッセージをいただきました。今日のAMAZINGなゲストは銀座みかわやの4代目、専務取締役の渡仲晋平さんにお越しいただきました。渡仲さん、ありがとうございました。
- 渡仲
- ありがとうございました。
出演者プロフィール
JUMI
2010年から中央エフエムにてナビゲーター、プロデューサーとして番組制作等に携わる。
知れば知るほど奥深く、沢山の「宝物」を有する中央区の魅力を「ヒト・モノ・コト・オト」を軸として、多くのリスナーの方々にラジオを通してお伝えしたいと活動する日々。
街と人と橋と地下鉄をこよなく愛しています。
渡仲晋平
神奈川県横浜市出身、現在は中央区民。
幼少の頃は祖父が営むみかわやへ祖父を訪ねて銀座に通う。
社会人になって10年間サラリーマン生活を送ったのち、祖父、叔父が愛した店を守るためみかわやに入社し、銀座の地に再び通うようになる。
「基本をブラさず、お客様のお声を大切に」をモットーに、銀座みかわや100年を目指してお客様、従業員から教えを受ける毎日です。
https://www.ginza-mikawaya.com/
協力:中央エフエム株式会社(http://fm840.jp/)
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